海上自衛隊 護衛艦生活~係船桁(けいせんこう)とは!?~

護衛艦についてる係船桁(けいせんこう)とは!?

係船桁(けいせんこう)と入力すると、戦艦プラモデラーの画像ばかり出ますが、プラモデルでは係船桁作ってみても、実際の使い方がわかる人は少ないのではないでしょうか!?

係船桁自体は現在の海上自衛隊ではなかなか使わなくなってきているので、当時の写真なども残っていないので、図で開設したいと思います。

 

係船桁(けいせんこう)

読んで字のごとく、船を係留するのに使います。各護衛艦が搭載する、内火艇と呼ばれる小型の搭載艇を錨泊などで下ろした時に使います。

係船桁を使う理由は、錨泊時や漂泊時に降ろした搭載艇をわざわざ一回一回艦上に揚収する手間を省くのと、錨泊時や漂泊時には船は風上に立つ慣性があるので、その際、搭載艇を船の変なところに係留しておくと、無理な力がかかり、内火艇が傷ついたり、内火艇を係留しているロープが切れたりするので、係船桁を使い、船を潮と風に対して自然な流れで係留しておくことが出来るのです。

 

実際、海自では内火艇は艦尾に着けておくことが今では一般的ですが、所長の乗艦が宮古島で錨泊している時に、夜中に天候が急変し、当直で内火艇の役員に当たっていたものが見に行くと、ロープが切れていて、あと残り一本で係留されている状態で切れていたら、内火艇は漂流し、次の日どえらいことになるところだったという事がありました。

しかし、係船桁を使えば波や潮、風に逆らわないので、そういうことが起こりにくくなるのです。

 

昔の戦艦や巡洋艦クラスは現代のように港に戻っても岸壁横付けはほぼなかったみたいです。母港でも錨泊、トラック島でもほぼ錨泊。

乗員も数百~2千数百人もの乗員が乗組んでいました。それだけの数の人間を上陸させるときに小型艇を使うとなるとかなりの数が必要になります。それを効率よく、邪魔にならないように係留する方法として係船桁があったのです。

現代の護衛艦は各艦2艇の内火艇しか搭載していないのでそこまで邪魔にならないわけです。揚げ降ろしも昔の戦艦、巡洋艦時代よりも簡単ですしね。

また。係船桁から落ちて怪我する者も後を絶たないため、海自ではあまり係船桁を使わなくなりました。

 

で、図を見てください

係船桁 正面の図

1)艦の舷側外に、太さと幅がだいたい15cmくらい、長さが4~5mの鉄の棒を張り出し、手すりをつけます。

2)張り出す前の準備で、鉄の棒にジャコップと海自の人が呼ぶ縄梯子、係留用のロープを取りつけて置きます。

3)実際に張り出し、ロープに内火艇を係留し縄梯子を上がり、鉄の棒の上を綱渡り、カニ歩き状態で歩いて船の舷内に戻ります。

4)内火艇に乗るときは逆に鉄の棒を渡り、縄梯子を降り、内火艇を発進させ、他の乗員が乗り込む船の舷梯に向かいます

 

この時、図でもありますが人が落ちます。鈍くさい人は落ちます。

写真がないし、普通の人は縄梯子を使うこともないので、想像もつかないでしょうけど、係船桁をカニ歩きで手すりを伝い歩いていき、縄梯子に掴まりなおすときにどうしても片手を離す瞬間、片足がどこにも付いてない状態の時が出来ます。安全ベルトも使えない形状ですので、結構いや、超危険なんです!!

結果、鈍くさいやつは落ちます。しかも、内火艇の中に落ちれば、最低でも骨折はしますね。打ち所が悪ければ、半身不随も有るでしょう!! 落ちる高さも各艦の乾舷の高さと同じになるわけですから最低でも4~5m、大きい船だと7~8mくらいの高さがあります

所長が現役時、舞鶴の僚艦で、係船桁の真上から落ちたらしいのですが、その瞬間、下の内火艇が波で動きたまたまずれてくれて、海に落ち、大きなけがはしなかったなんて人の伝説も伝わってきていました

 

係船桁 上からの俯瞰図

 

結構危ない作業になりますが、では事前に縄梯子を降りたり、係船桁を渡る訓練などするかといえばしません!! その日が来ていきなり、係船桁を出します!!といわれ、その日内火艇の当直に当たっていれば、やったことない者でもやらなければなりません!! 高所恐怖症でも!!関係ありません。

 

 

なに!? 係船桁下りたことないだと!?

バカか!! お前の当直で、お前の仕事なんだからお前が行け!! 誰でも最初があるのが当たり前や!!

 

 

 

しかも高所恐怖症なんです...

 

 

以前も書きましたが、海自の艦艇生活は何気ない、一見危険に見えない作業や訓練でも死や怪我の危険が潜んでいます。しかしそのすべてが教育隊の教育で教わってくるわけではありません現場で、先輩たちの作業を見て、自分で考え、予習しておかないとなりません。でないと突然の本番に見舞われて、上記のように怒鳴られた上に、当然代わりの者を行かせてくれるわけもなく、行く羽目になります。

また、こういった見えない危険な作業に関し知らないままでいると、いつか人を巻き込み、人を怪我させます。だから海自ではその先に人身に関わる危険が潜んでいると、先輩や上司は手を出してきて、危険を知らせてくれます。

それを暴力ととるものもいるでしょう...身をもって知ってからでは遅いのです。下手するともう取り返せないかもしれません。はたかれて痛い思いするのか、怪我して血を流し、骨折して、指を詰めてもの凄い痛い思いし、永遠の傷を残すのか選択するのは自分です。

 

海自の護衛艦乗員とはそういう商売だとあきらめて、覚悟して入隊してください!! いい所もいっぱいありますけどね!!!!

 

 

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