洋上補給 海上自衛隊の洋上生活 護衛艦乗員の艦艇生活

洋上給油/補給(RAS/RAS)

RASとはRefueling At Sea/Replenishment At Sea の略で洋上行動中に補給艦が来て、そのまま洋上で補給します。しかし洋上で果たしてどのように補給するのかは陸上で生活する、普通の方々にはわからないと思います。

先に言いますと、洋上で船を停止して横付けして補給することはできません。洋上で船を停止すると波とうねりの影響が動いている時よりも大きく受け、横づけすることも出来ません。

 

なのでどうするかというと、補給艦と非補給艦で並行に走りながら補給を受けます。

洋上補給の一コマ ロープの受け渡しを最初に行い、その後その一本のロープを基に最終的にはワイヤーを受け渡して艦同士をつなぎ写真の黒い燃料、真水。航空燃料用のぶっといホース(写真中央に垂れているもの)をつなぎ液体系を補給します

 

図で説明します。

 

洋上補給 実践編

補給艦や護衛艦には燃料や補給を受けるための、ステーションと呼ばれる場所が決まっています。海自では右舷が奇数、左舷が偶数と何をするにも決まっています。艦内でも、何かを示すときに奇数は右、偶数は左と数字を見て判断します。いずれまた書きますが、錨泊の時、奇数月は右舷の錨を使い、偶数月には左を使ったりと決まっています。

 

図の数字はそのステーションを示し、数字はその付属番号です。

実際には補給艦に近づくときには

補給艦2番ステーション、本艦1番ステーション、洋上給油準備と下令されます。

しかもそれだけではなく、補給艦2番ステーション、本艦1番ステーション、洋上給油準備、補給艦6番ステーション、本艦3番ステーション洋上補給準備と前部で給油して、後部で物品の補給が同時に行われたりします。なので洋上補給に関係する人間はこの何番ステーションを理解していないとどこに行き準備すればいいかがわからないことになります。

 

洋上補給時の艦と艦の幅はだいたい30~45mくらい、平均で35mくらいを保ちつつ、速力を約12ノットを保ち直進しつつ行います。しかもなんと、もし正面に障害物などがあれば、同時に息を合わせて変針し、この速力、幅を保ちながら舵を切り変針運動を行えるのです!! すごい技術でしょう!?海自の艦隊運動は世界一と言われる由縁の一つでもあります。

 

やることは多岐に渡ります

最初のロープを渡すための役割、距離を一定に保つために距離を示すロープを渡し保持する人、サインボードみたいなものを持ち様々なシグナルを送る人、ワイヤーを繋ぐ人、ワイヤーやロープを引く人、保有された物品を艦内に収めていく人など、そのすべては、艦内にある、部署というものに、自分がどこに行き何をするか全て定められており、その時に自分がどこに行き何をするか理解しておかなければなりません。理解していないとどうなるか...昔ならシバかれています!!

 

護衛艦乗員は訓練だろうが実戦だろうが関係なく毎日が命がけ!!毎日がスペシャル♫

この洋上補給の時一番恐ろしいのは、意思疎通のミスによる、艦同士の異常接近です!過去には当然接触もあります。訓練もでも死ぬことはあります。

もう一つ、この時身近に怖いのは三角波(合成波)の発生による甲板上を攫うことです。波うねりの高い時、その波とうねりの周期に合わせて、艦同士が起こす波の周期が合うと通常よりも大きな合成波が発生し、甲板を襲うことがあります。実際に所長も甲板上に三角波が上がり、脛くらいの所まで海水に襲われました。その勢いで足払いを喰らったように足を払われすっころび舷側付近まで流されたことがあります...

もちろん注意はしています。しかし不意にくるのでなかなか難しいものです。しかも作業中ではロープやワイヤーが切れたり跳ねたりもあるのでそちらも注意しなければならないのです。ロープやワイヤーが切れて当たりが悪ければ大けが、死亡もあるのです...。艦同士の間に海中転落すれば死ぬでしょうし...

 

なので洋上給油は最も気を使う作業の一つでもあります。

 

 

 

 

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。