イージス艦と通常護衛艦、どっちが強いのか? あと現代の艦載砲について

職場の艦コレ好きの先輩からある質問を受けました。その質問は…

 

イージス艦(あたご型とします)と通常護衛艦どっちが強い?

攻撃力編

非常に男の子的な質問で、ワクワクしますね🎵

古くは、マジンガーZグレートマジンガーどっちが強い? マジンガーゲッターZガンダムZZガンダム、どっちが強いのかと、討論した少年時代を思い出しますね🎵

 

ただし、先に言ってしまうと、攻撃武器の単純攻撃力の比較だけなら、なんと!!差はありません。

何故かと言ってしまえば、海自の艦船で、艦船に対する攻撃武器はSSM-1Bかハープーン対艦ミサイルのみであるからです。このミサイルはほぼ同等の能力として、主砲があるじゃないかと言われるかもしれませんが、現代海戦において、砲項兵器はほぼ攻撃では使いません。

艦載砲は元々対空・水上用ではありますが、アメリカ製のMK45艦載砲(あたご型から搭載)は発射速度が毎分20発なので、音速で突っ込んでくる航空機、ミサイルに対してはその発射速度では有効射程に入ってから発射してもせいぜい2~3発撃てればいい所でしょう。水上目標にたとえ使っても、敵を大破・沈没させるには威力が不足します。命中場所によっては火災や浸水が起きれば話は別になりますが…。

なのでアメリカでは艦載砲は誘導砲弾の開発を急ぎ、それまでは対地支援射撃のみの想定でしか考えていません。以前も言いましたが、有視界内で大砲を撃ち合う時代は第2次世界大戦の皮肉にも日本海軍のマレー沖海戦での勝利で終焉しました。

 

というわけで、イージス艦と通常型護衛艦では艦載砲の大きさに関わらず、単純攻撃力自体は同じになります。極論を言えばあぶくま型とあたご型でも武器の攻撃力自体は同じという事です。お互い対艦ミサイルしかないわけですから。おまけに搭載数も変わりません。

短魚雷は艦船攻撃用ではありませんしね。

 

防御力編

攻撃力に違いがないとするならば、勝敗を決めるのは防御力の違いによるでしょう。

防御力を検証するには、レーダー性能、防御武器を種類によります。すべての艦船に積まれている共通防御兵器は20㎜機関砲(通称ファランクス:CIWS)と、口径の違いはあるけどオットーメラーラ76㎜速射砲(毎分120発)、MK42・5インチ砲(毎分40発)。オットーメラーラ127㎜砲(毎分45発)、MK45・5インチ砲(毎分20発)の艦載砲です。

そして艦により、短SAM、SM-1の搭載艦となります。

 

あたご型 VS はたかぜ型

この2隻で見ますと、そんなに勝敗に差がつかないような気がします。対艦ミサイル8発ずつ撃ち合いの想定でいきます。

はたかぜ型の放った対艦ミサイルを、あたご型はSM-2で迎撃できるとして抜けてくるミサイルはCIWSで対処するしかありません。命中弾なしの一発至近弾あれば良いところでしょう。

一方はたかぜ型はSM-1で迎撃しつつ、抜けてきたやつを5インチ砲2門にCIWS2門の弾幕で対処し、なんとかなりそうですね。たぶん優秀な戦闘システムとレーダー員の技量とチャフなどを駆使した回避行動で命中弾なしで2~3発至近弾くらいのダメージで済みそうですね。

 

正直、どちらも乗っていた船なんですが、愛着は、はたかぜ型なので生き残って欲しいとのひいき目で見てますね、はい!(笑)

 

あたご型 VS あぶくま型

現在最軽量の護衛艦あぶくま型との対決です。

正直、厳しいですかね.. これもどちらも乗っていて、あぶくまにも思い入れはありますが、武器というかレーダー、戦闘システムに差がありすぎというか、あぶくまには現代必須のCDSとか言われる戦闘システムがありませんので、かなりレーダー員などの技量に頼るところがあります。

ただ、搭載水上レーダーには差の開きがないので、先に発見、先制攻撃の成功如何による運頼みですね..。しかしあぶくま型は小さい故に1~3発被弾で戦闘不能でしょう…。

 

こうしてみると、攻撃に関して、イージス艦が何が何でも優れているというわけではなくなりますね。イージス艦万能論者の方には申し訳ないですけど。イージス艦のレーダー員などもミスれば被弾を免れないでしょうね..

 

 

ところで艦載砲の話の続きです

除籍された護衛艦や支援船では、たまに標的艦として、射撃訓練の的にされ、海に沈められる運命をたどる艦もあります。所長も支援船だった船の処分射撃に参加したことはありますが、護衛艦クラスの処分射撃には参加したことはありません。そこで参加したことある先輩射管員の話ですと、76㎜速射砲や5インチ砲でいくら撃っても穴が開くだけで、沈まなかったそうです。

まあ、勿論、中身が空なので、弾薬やエンジン、燃料などに引火して火災などが起こることもないから、弾丸も綺麗に貫通したりするので、なかなか沈まないのでしょう。結局最後は、潜水艦の長魚雷で沈めたそうです。※短魚雷は対潜水艦、長魚雷は対艦船用

 

上記でも書きましたが、音速で突っ込んでくるミサイルなどには艦載砲ではもはや太刀打ちできる時代ではないし、有視界内で水上戦をする時代でもありません。という事は対地支援射撃のみでしか使えないという事ですね。だから昔は連装砲で前後、もしくは背負い式で複数搭載していたのが、現代では単装砲となり、複数搭載している艦はもはやはたかぜ型のみとなりました。

 

戦闘艦の優劣は、武器の威力や射程距離などよりも、まずは敵を先に発見、捕捉、計算する、戦闘情報処理能力、それを扱う乗員の技量がその勝敗を握っていると言っても過言ではありません。

 

言ってみれば、友好国の艦船に、ミサイル射撃用レーダーを照射すればどうなるかわからないような乗員が乗っているような国の艦船には、我が国の艦船や乗員レベルが劣っていたり、負けたりすることはないでしょうね!!

 

 

 

 

 

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