知られざる艦艇勤務生活~停泊中の仕事、舷門当直、機関当直など当直勤務~

今回は専門用語が多いかもしれませんので艦艇勤務用語集はこちら

停泊中の仕事

艦艇勤務は航海中の当直勤務や仕事、訓練と、停泊中に行える仕事や訓練、当直勤務の体制が全く異なります。

航海中の当直は24時間の一日の中で3交代か4交代で順繰り2時間か3時間ごとに当直が回ってきます。

停泊中の当直割は、何日かに一回の日で順繰り回り、さらにその当直日には24時間の間に何時間交代かで各々の当直が回ってきます。

 

 

様々な当直勤務

停泊中の当直勤務と言っても科により色々あります。1分隊と2分隊には舷門当直というものがあります。3分隊には機関当直があります。また当直員(艦内にいる全員)全員で応急隊(陸上では防火隊)というものが編成され火災や浸水などに対応するためのものがあります。

他にも現代のシステム化された護衛艦にはシステム当直とか保全当直とか云ったものもあります。

相当ややこしい話になります。

 

ここまで話してもただ当直という言葉でも非常に幅広い意味合いがあります。

 

まず大きく言うと当直日と単にいう場合は要するに艦内に24時間泊まる日のことを指します。これは1から4分隊まで全員あるものです。そして次にその当直日にはその艦内に置いて何の当直(仕事の意)にあたるかを意味します。

 

舷門立直の概要

舷門立直は船から陸に向けて桟橋を下ろす船側の所を指します。いわゆる船の玄関になります。そこには桟橋の電話ボックスから引いた外線電話や各種の警報器類、艦内放送用のマイクがあり電話番や訪問者の管理、幹部や先任海曹室のお偉方の入出艦管理、夜中の艦内巡視などがあります。1直員は0800に自衛官旗の掲揚、前日の4直員は艦首旗の掲揚、3直員は日没時に自衛官旗の降下。2直員は日没時、艦首旗の降下の仕事があります。

 

当直海曹と当番(海士or若手3曹)と二人で立直します(潜水艦は一人らしい)その上には当直警衛海曹、副直士官、当直士官がいて、何かあると報告したりします。

 

1分隊員(砲雷科)は舷門立直がメインになります。24時間を4交代で日中0800~1200(1直)1200~1600(2直)1600~2000(3直)2000~2200(4直)2200~2400(1直)2400~0200(2直)0200~0400(3直)0400~0800(4直) とに分けてそれぞれの色の時間を同じ人が立直します。

 

2分隊員は、航海科は信号当直というものがあり、順繰り艦橋にて待機しています。もともと航海科は艦橋周りのメンテナンスが仕事なので停泊中は信号当直だろうがなかろうが艦橋周りにはいます。通信員は通信当直で通信室で当直します。電測員と電子整備員は舷門立直になります。各艦の事情により2分隊員は2直限定だったり、バラバラだったりします。小さい船では通信員や航海科員の若手海士は舷門立直が回ってきていました。2分隊から見ると砲雷科は結構きつめの人が多いので、なるべく舷門では1分隊の人とは立ちたくない人もいるみたいです。

 

3分隊は機関当直になります。所長は機関当直のことは時間割から仕事内容まで全く分かりませんので割愛します...

4分隊は調理員は定時になれば調理を、経理員や庶務員は各々の科の所掌の当直とかはありません。

 

応急隊(陸では防火隊)

土日や平日の夕方以降は艦内には最低限の当直の人間しかいません。そのため火災などが起こった時のために応急隊というものが当直員で編成されます。1分隊から4分隊までの全員で編成されます。火災の時に防火着を着て突入する人、後ろでホースを捌く人、ポンプを操作をする人などを決めておきます。

勿論自分の舷門当直や通信、機関当直などもあります!! 何かあればみんなで協力して当直中の艦を守るということになります。

 

 

平日

平日は朝0800から夕方4時45分までは代休日でなければ当直ではない人も全員出勤してきます。そして日中は自分の所掌の機械の整備や、共通で船体の整備などを行います。この時も自分が当直日で舷門当直に当たっていればその時間は作業を抜け自分の当直に専念します。

夕方から上陸員が上陸した後は当直員だけになり応急隊を編成し各々の当直時間以外は各々のやりたいことをします。舷門で抜けて中断した自分仕事やる人、売店行く人、船の目の前の岸壁でランニングする人、夜中の当直に備えて仮眠をとっておく人など様々です。当直日の各々の当直の時間以外はどう過ごすかは自分で決めます。

 

休日

土日や祝日は、朝から出勤者は当直員だけなので、広い艦内はより広く感じます。平日の夕方以降と同じようにどう過ごすかは自由です。しかし土日の人の少ない時しかできない船体作業とかもあるときはその作業を行います。(例、上甲板の総塗装。居住区内のワックス塗装など)

 

リフレッシュウイークス(長期休暇中)

長期休暇中はお互いに交代者を見つけて、当直日をずらして長期休暇を取得します。すると当直日が2連日、3連日とかになる時とかもあります。そうすると2日間、3日間家に帰れず当直します。やることなくても結構きついです。でも休暇のためなら仕方ないことです。この時ばかりはどうしようもない共通船体整備以外は仕事しません!! 舷門当直で一杯です!!

 

まだ海自も大らかな時代、所長が入隊した1998年頃はその大らかさが末期でしたが、年末休暇の時は年をまたぐのですが、艦内飲酒にも大らかでしたので当直に差し支えないだけ飲んだり、鍋の食材をあらかじめ購入してきて持ち寄り、分隊の枠を超えて広いレストルームで年越し鍋パーティなどをやってキツイ当直も面白く過ごしたものでした!! 連日当直でも数人は入れ替わるので、次の日また違うメンバーがそろい翌日は新年鍋パーティてなこともありました。そして新年朝空けると調理員の人が作ってくれたおせち料理をその日上陸員なら持ち帰り家で食べるし、その日また当直員なら昼にお雑煮などと一緒に食べていたものです。

 

しかし今はもうそんな風習も廃れ、艦内飲酒は厳禁になり(前も言いましたが船内での飲酒は何の法律違反でもありません)、おせちを作れる給食費も削られ、つまらない世の中になってしまいました...

 

水清ければ魚は棲まないと言いますが、航海中のキツイ当直もあり、停泊中の休暇や、そういう緩めるとこ緩めるメリハリこそが海自だけでなく船舶職員のいい所でしたのに、今は占めるとこ絞めて緩めるとこ緩めないだけの組織として変貌したせいでいつまで経っても人材不足、人員不足なのでしょうね...嘆かわしいですね

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