海上自衛隊とスポーツ ~水泳編~

訓練としてのスポーツ

海上自衛隊の教育期間中に必須のスポーツが5つあります。その一つは言うまでもなく水泳、その他、柔道、剣道(選択制)、持久走、そしてハンドボールです。水泳はまあしょうがないですね、海ですから。 昔は舞鶴地区には相撲があったようです。

 

水泳訓練

水泳はまあ海自なのでしょうがないですね。どうしても水とは切っても切れない縁ですから。教育隊に入隊した時点で泳げなくとも、4か月後には見事に泳げるようになります。最初の水泳訓練時、泳げるかどうかテストします。たとえ泳げない人でもプールには入り、スタートの笛が鳴り、どんな形であれ前に進み、自分がダメなところで足をつき記録となります。泳げる人間は50m完泳しタイムが記録となります。自由形と平泳ぎ両方やります。泳げない人間も両方やります。泳げない人間にとっては過酷です...

 

そして、その結果をもとにクラス分けされ、そのレベルにあった練習メニューを当てられます。また平泳ぎで基準をクリアしていない人間は赤帽と言われ、それは見事な文字通り赤色の水泳キャップを渡されます。途中何回かある測定会で基準をクリアした段階で赤帽を返上します。赤帽特別訓練と言って通常の訓練課業終了後、夕食まで、夕食後に居残り訓練が行われます。所長はクリアしていたのでありませんでしたが、本当にキツそうでした。夕食前、夕食後の少しの空き時間で体を休めたり、翌日ための制服、作業服の整備、靴磨き、洗濯などの時間が潰れるからです。

 

何故赤帽かと問われれば、いわれは不明ですが、泳いでいる時は顔が認識できないので、教官のアドバイス、叱咤激励(暴言)が届かないため、赤帽をかぶせ泳げない者を識別しやすくし、長い竹の棒の先に水泳用の浮きのついたものでプールサイドから教官がその赤帽をめがけて突っつくのです!!!!  ま、泳げる班に居ても手を抜いていたり、インターバルタイムを下回っているとつっいてきますけども...

 

泳げるようになると試しに非常的な訓練もあります。作業服で泳がされたり、作業服で立ち泳ぎ、両手には軽い荷物...マジでおぼれそうでした。立ち泳ぎしながら水中で作業服のズボンを脱ぎ、立ち泳ぎしながら裾を縛り、それをふりかぶっで水面にたたきつけるとズボンの足の部分に空気が入り浮きにする訓練とか。

 

無事に教育隊を修業し、部隊に行っても水泳の測定が年に一回あります。またその時期はだいたい夏で、酷暑訓練とよばれ、15時に仕事を切り上げれる人間は切り上げてプールに行き泳ぎます。部隊ごとにプールのコースが確保されているのでそこで泳ぎます。そして納会としてタイム測定があり、今はわかりませんが、所長の時は、2年か3年に一回くらいのペースで地方隊の水泳大会が行われていました。

 

男だらけの水泳大会!! ポロリもあるよ!?

 

各艦、各部隊対抗で水泳大会が行われます。所長の時は護衛艦には男しかいなかったので護衛艦部隊側は男だらけです...しかし地方隊とは総監部内の通信隊や基地業務隊、警備隊など様々な部隊があります。そちらの陸上部隊には女子がいました。少ないですけど...

 

そして総当たりで競技は進みます。しかしまた一つ問題があります。各艦、各部隊人数が違います。でも競技数は同じです。すると少ないところは泳ぎの早い人の使い方が激しくなります。へとへとです。しかし人員に余裕があるところは一人あたまの参加競技数が減ります。

事前に艦内で、先に行ったタイム測定により出る競技を決めてきます。タイムの遅い人や業務があり抜けれない人、当直の人は出れないので乗員の全員が全員出るわけではありません。だからこそ人数の差が出ます。泳ぎの得意な人間がその日当直だと、当直を交代させてまで競技に参加させます!! 艦の威信が掛かってます。総監も観戦してますし、総監の横で幕僚や各艦長、部隊長も観戦してます。本気の大会なのであります。

 

競技は様々にあります。それこそ日本選手権で行われている普通の泳法の競技や、作業服を着て泳ぐもの、デカいビート板に乗りボートのように手で漕いで競うもの、水中で綱引きしたり、潜水距離を競うもの、速さではなく、逆にタイムを指定し、その指定タイムに近くになるよう泳ぐものなどがあり、非常に面白いし、ただ速く泳げる人だけが参加できるものでもないように工夫がなされています。

 

そして艦の威信が懸かっているので、各艦様々な応援の手段を考えてきます。各艦その日は朝から船のマストに気合に入った垂れ幕などを上げ、普段の朝の整列は、選手団の激励会が行われます。上記の写真はその中の一つで、舞鶴地区では有名な応援団でした!! 競技の度にプールに、体育館に、時には広報先の港にまで姿を現し、いつしか、他の部隊、特に陸上部隊の人達からは『また今日もあの人達来るかな~!?♫』的な名物になっていました。

夏の室内プールでの応援は過酷でしたね...汗だくで...人の応援した後学ラン脱いで泳いで...なんで知ってるかって!?

この中に所長もいたからです!!

 

 

追記

水泳でも地方の大会から選手が選抜され、全国大会へのための合宿が組まれます。これはハンドボールも武道も同様にあります。しばらくの間部隊を離れ、それぞれのスポーツだけをやるプロみたいな生活になります。さらに柔道と水泳に至っては記録や戦績が優秀なら自衛隊の体育学校に行きより高みを目指すことも出来ます。要するに日本選手権に出場し、さらに上、そうオリンピックを目指すことも出来ます。まあ、ごく稀ですが…

 

で、海自の場合は体育学校でより高みを目指す選手としてのピークを超え選手としての終わりを迎えたとき、自分の職種から離れすぎているため、元の職種には戻ることが難しくなります。その場合は、各教育隊、術科学校などの教育機関に体育教官という道が出来ています。

しかし聞くところによると陸自の場合は、この体育教官という職種がないため、陸自から体育学校に行き選手としてのピークを過ぎると、元の職種の仕事から離れすぎているのに階級だけは上がっているために行ききがなくなってしまっているため退職する人もいるらしいです。

(体育学校は陸海空の現役自衛官が水泳や柔道、レスリングなどのスポーツで日本選手権やオリンピックを目指せるような選手が集まるところです)

 

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